「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

イギリス・レスターから帰国。シェアハウスでの暮らしの中から、日々の暮らし、ファンドレイジング、自身のHSPのこと、そして大好きなイギリスのことも引き続き書いていきます。

ブログを再開して書きたかった私の社会人らいふであったこと③決断編

さて、これまで社会人になってから私が出会ったことについて書いてきました。最後に、その出会ってきたことを受けて、自分がずっと感じてきたこと、そして今回、新たに決断するに至った経緯や、これからについて書いていきたいと思います。

 

これまでの記事については①と②とあります。

①はこちら。

ブログを再開して書きたかった私の社会人らいふであったこと①はじまりとできごと編 - 「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

 

②についてはこちら。

ブログを再開して書きたかった私の社会人らいふであったこと②出逢い編 - 「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

 

前回の②でファンドレイジング に少し触れましたが、そういえばブログでも一度ファンドレイジング について触れていましたね。少し今回の②の内容とかぶるところもあるけど、それだけその経験は自分にとってとても大切なものだったのだと改めて思います。

juncouk.hatenablog.com

 

●イギリスで見た現実

イギリスで私が出会ったファンドレイジング の現実はこれまでのブログに書いた通り、期待していたものとは本当に異なるものでした。あまりに期待していたからか、本当にその現実にはがっかりするものがありました。

他方、イギリスにきたことで日本との物理的にも、精神的にも距離ができてしまい、なんだかより「ひとりぼっち感」が増すばかりで、実際にはそんなことないのかもしれなかったけれど、どうしてもその思いが募っていました。

 

●イギリスでの出逢い

そんな中、イギリスで物議を醸すファンドレイジング に関する書籍が発行されたことを知りました。その内容はRelationship Fundraising。つまり、寄付する人ととの関係性を主にしたファンドレイジング の手法についてです。とは言っても、寄付が当たり前になったイギリス、わざわざ寄付する人を今さら大事にしなくても寄付は集まるので、「今さらそんなことに時間は割けない」と、この手法を疑問視する声も多くあり、発刊前からさまざまな声がネット上で飛び交っていました。

そんな本を実際に買って読んでみると、このイギリスで、「支援者の想いを第一に考える」ことが団体の継続だけでなく、支援者も団体もみんながとても前向きに、幸せな気持ちになり、循環していくこと、また、団体内のコミュニケーションも深まって行くと、ただそのことがひたすら書かれていました。

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Donors For Life これがその本です。

 この本を読んで、それまで諦めかけていた自分の想いに、少し火が灯ったような気がして、英語のクラスの先生に相談してメールを見てもらったりして、著者の二人に思い切って「会って話を聞かせてほしい!」とメールを送り、なんと本当にそれぞれにロンドンでお会いできることになったのでした。

 

●二人のファンドレイザー と話してみた!

この著者であるクレイグ(Craig)とポール(Paul)と一対一ずつでお会いすることができたのですが、本当にキャラクターがびっくりするほど違いました。

 

クレイグはどちらかというと大人しいけれど、熱い想いを持っていて、彼が一番に言っていたのは、"Ask"というキーワード。「こちらから提案するのではなく、相手が求めていること、知りたいことを常に尋ねること」これだと言っていました。

一方ポールは見た目もなんだかスターみたいでびっくりでしたが、大事にしているものはクレイグと同じでした。ポールのキーワードは"Trust, believe and networking"。「どれだけ相手を信じ、相手にも信じてもらえる関係になれるか、それとファンドレイザー 同士のネットワーク」でした。

 

二人は、このイギリスの現状だからこそ、改めて人と人とのつながりに注目して欲しいと、この本を書いたと話していました。短い時間だったけれど、同じような想いを持った二人に出逢い、希望とたくさんの勇気をもらった気がしました。

 

●HSP、確信へ

二人に出逢ったあと、帰国の時期も見えはじめてきた頃、考えていたのが、今まで仕事でうまくいかなかったこと。日本に帰ったら自分のことも振り返ったほうがいいなぁと考えていました。そんな時、以前HSP(Highly Sensiteve Person)について調べていたことを思い出しました。HSPは「気質」、本来もって生まれたものなので、診断などもなく、また治すという概念もありません。そのHSPについて改めて調べてみると、「いろんなことにとても敏感で、いろんなことを深く処理する」、「相手のことも自分ごとのように考える」など、自分に当てはまることばかり。でもなんだか、それがわかって、正直ホッとしました。これまで散々自分の性格と向き合ってきたからか、「それなら仕方ない」となんか認められたのかもしれません。同時に、HSPには悪いところばかりでなく、その特性を活かせることもわかり、「そっか、良い部分を見ていったらいいのね」と思えたのでした。このことは私にはすごく大きな「発見」でした。

 

 ●日本に帰ってきたけれど

そんな想いを持ちながら、久しぶりに帰った日本。日本を出るときは、とにかく日本を離れられることが嬉しくてたまらなかったけど、今回はHSPの発見もあり、そこまで帰ることはショックではありませんでした。

それでも、どこかで帰国したことで会うお誘いや、イギリスのファンドレイジング に興味持ってくれた人が連絡してくれるかなぁとか、イギリスにいたときに「帰ったらあいましょう」といってた人が連絡くれると期待していたようで、「そこまででもないなぁ」としょんぼりしていました。(実際は連絡をくれて久しぶりに会ってくれた人も何人かいて、それはそれは感謝したものだったのに。)

 

少しずつ暮らしも落ち着いて、でもなんだか気持ちはしょんぼりしたまま、でも仕事はあった方がいいと決めた仕事も、なんだか自分に合ってないようで、なんだか八方塞がりな気分でいたとき、「私が進む方向はこっちじゃない!」そう気づかせてくれたのは、今住んでいるこのシェアハウスでした。

 

●シェアハウスでの暮らし。新たな出逢い。

日本に帰国するときに悩んだのが家探し。帰国するときは私もパートナーも無職なので、普通に家は借りられず、かといってマンスリーマンションは高いし。そんなとき、偶然ウェブの記事にシェアハウスのことが出てきて、「シェアハウスって一人の人でなくても暮らせるんだ!」と思ったのがはじまり。それから都心から少し離れた場所で探していたら、今のシェアハウスを見つけ、連絡してみると、なんと帰国日前日に空く部屋があるというお返事。その時もらったメールもとても温かくて、全てがご縁だったと今は感じています。

 

私とパートナーが暮らすシェアハウスはとても不思議な空間です。庭には鶏がいるし、廊下はたくさんの本と骨董品。何より「ルールがない」こと。掃除当番もない。そんな不思議なシェアハウスに海外の人も、家族も、みんな住んでいて、なんだか付かず離れず。部屋以外全部シェア。もちろんいいことばかりではないけれど、「住む」場所だから、ある意味「ありのまま」じゃないとやってられない。でもそんな空間がどんどん愛おしくなって行きました。

 

「これまで人間関係を築くことがこんなに苦手な自分が果たして暮らしていけるのか?」という疑問と不安は、いまもあるけれど、HSPでもあり、「人と自分との距離」を測るのが下手なりに、少しずつ、少しずつ、シェアハウスでの暮らしに慣れることができて、一人でいたいときは放っておいてもらえるし、みんなと話したいときはキッチンに行けばそこには日常があって、その距離感がすごく心地よいものです。気づくと大あくびしながら廊下を歩くほどになっていました(笑

 

最初は「うん?」と思った何気無い同じハウスに暮らす人たちが言っていた今ではとても好きな言葉たちが、ここでの暮らしを象徴しているように思います。

・少しずつ仲良くなっていきましょう。

・このシェアハウスは”頑張る”場所じゃないからね。

・”焼きたい!”という気持ちの時しかパンを焼かないの。

広いキッチンや庭で、住人それぞれが思い思いにパンやケーキを焼いたり、畑に野菜を植えたり。みんなそれぞれが好きなことを無理なく、好きなだけしているからこそ、このシェアハウスの居心地がいいようにも思えます。

 

●そして、決断した道

そんなシェアハウスで暮らしていたら、なんだか私も気持ちがゆったりして、久しぶりにずっと焼きたかったケーキが焼く時間が持てたり、料理ができたり。少しずつ毎日の「暮らし」をより楽しめるようになってきました。

そうしてありのままの自分の思いに出逢えたのだと思います。

それこそ、やっぱりファンドレイジング やリレーションシップファンドレイジング に関わっていきたい、と同時に、NGOなどで私みたいに少し陽のあたらない、でも組織には大切な経理や支援者担当をしている人たちともっと出逢いつながる場所をつくりたい、そう思い始め、しばらくしていた仕事にさよならを告げました。

今はまだ、東京やファンドレイジング 界隈に顔を出す勇気はないけれど、少しずつ、また足を運べたらいいなと思っています。自分の「思い込み」や「先入観」で離れてしまったものとの距離も、少しずつ縮まっていくといいなぁとも。

そして、ロンドンでの出逢いを大事に、リレーションシップ・ファンドレイジング ももっと日本で広めていきたい。その想いに気づいたのでした。

 

これまで、フリーランスというのに惹かれつつも、そこまでの自信も、経験もないし、無理だとしか思っていなかったので、自分のこの気持ちの前向き具合に、自分が一番びっくりでした。

 いざ!8月からは通信で起業の学校に通いながら、少しずつ自分のやりたいことを広げていきたいと決めました!

 

そうシェアハウスで話したら、「ここにくると、なんかみんな変な自信持って、仕事辞めちゃうんだよね」って、ハウスメイトの言葉に大笑い。

でもこのシェアハウスのご縁に、そしていつも隣で背中を押してくれるパートナーに改めて心から感謝です。再スタートとは言いたくない。これまでも頑張ってきたから。でも、ちょっと大きく一歩!

 

そして最後に。

認定ファンドレイザー という資格を取得してから出逢い、私などと一緒に登壇する話を進めてくれたあの人にもお礼を改めて。

そしてもう一人。その時一緒に登壇し、内容を一緒に詰めていく過程で「自分の団体つくったら良いじゃない?それか独立して経験をもっと伝えたら良いと思うよ、応援するよ!」って言ってくれたあの人に。そう言ってくれてたのに、グズグズしていてごめんなさい。やって決断できたみたいです。直接お伝えしたかったけれど、青い空の上から、見守っていてくださいね。きっといつかご報告に行きます。