「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

イギリス・レスターから帰国。シェアハウスでの暮らしの中から、日々の暮らし、ファンドレイジング、自身のHSPのこと、そして大好きなイギリスのことも引き続き書いていきます。

「まいっか」くらいがちょうどいいのかも。レスター2ヶ月の記録。

しばらく書いていなかったブログ、久しぶりにパソコンを開けました。レスターで暮らし始めて2ヶ月ほど経った9月(先月)は本当にいろいろなことがありました。正直、「こんなはずじゃなかった!」と思うことが多い毎日でした。でもそれもまた後で振り返ることができるよう、今日はその出来事を記録としてまとめてみます。☆個人的な視点で描くことをご了承ください。

 

○チャリティショップでの出会いから始まった「つながり」

それは8月のことでした。レスターのチャリティショップで日本について盛り上がり、そのお店の方が「ファンドレイジングの方に連絡しておくわ」と言ってくれました。(ブログは以下を参照)

チャリティショップでお買い物 - イギリス・レスター便り

それから何の連絡も無かったので、忘れかけていたら、この地域のファンドレイジングを総括しているという方から、「夏休みで連絡が遅くなってごめんなさい、お茶でもいかが」とメールが飛び込んできました。レスターに来て人のつながりでできたご縁。とても嬉しく、「ぜひ」と返信をしたら、本当にすぐ「じゃぁ○日にここで!」とすぐ会う予定が立ちました。

待ち合わせはその方と、もう1人の新人の方と3人でお茶をしました。お互いのファンドレイジングについて情報交換をしつつ終始和やかでした。印象に残ったのは、

  • この地域総括ファンドレイジングマネジャーの人は、事務所に通勤している訳ではなく、自宅ベース。地域にあるチャリティショップはそれぞれに店長がいるので、その人にお任せ。ファンドレイジングイベントはファンドレイジングチームというボランティアチームがいて、それにお任せ。本当に「総括」なんだとびっくりした。
  • 私がIFC(国際ファンドレイジング会議)の話をしたら、その存在すら知らなかったようでした。「今のところファンドレイジングはうまくいっているから、必要ないかな」と笑ってました。

そんな感じで話は「で、レスターで何をしたい?」と聞いてもらったので、「オフィスよりも支援してくれる人の近くで経験を積みたい」と私が言うと、「じゃぁ、この地域でも一番売り上げが良く、忙しいチャリティショップでボランティアしたらいいじゃない!」と言って、すぐお店に連絡、ここからの展開が早く、その足でそのチャリティショップに足を運び、店長さんと話をして、翌週に登録に行くのが決まったのでした。

 

○チャリティショップに行ってみた

翌週、レスターの中でも目抜き通りと言えるほど街の中心にあるそのお店をドキドキしながら尋ねてみました。その前の週にも来たその場所は、お店を1階とすると、2階が作業場、さらに地下に倉庫と、ビル丸ごとそのチャリティ団体のもので、規模の大きさを実感。そこでボランティアの「登録」なるものをした訳だったが、そこでみた光景は、日本とはあまりに違うものでした。

  • ボランティアの登録とはいえ、団体やボランティアの説明などは一切なし。「個人情報」について書かれた冊子を読むようどこかから持ってこられたが、油か何かにまみれてボロボロ、何とか読めた感じ。
  • チャリティショップなので、いろんな人がモノや洋服を寄付してくれて、それをお店で売って寄付にする訳だが、寄付されて来た本を投げる人あり、洋服は床に散乱して踏んでもそのまま。
  • 障がいのある人もボランティアしているのはいいが、その人たちが外に募金箱を持って立たされている。中で働いている人は、「おーいばか〜!」と呼ばれている。
  • アイスクリーム食べながら作業しているのはいいが、こぼしているが、ふかない。その汚れた服をそのままお店へ。

あまりの光景に、「ここでボランティアするの・・・?」とショックと不安ながら、紙を書いて待ってたが、一向に誰も来ないので、持って行き、「いつ来たらいい?」と聞くと、「いつがいい?」というので、ひとまず次の週に来てみることにしました。

 

○チャリティショップ・ボランティアデビュー

翌週、約束した時間に行ってみると、先週と同じ光景が広がっていました。でも、来る前に思ったのが、「自分の居心地のいい場所は自分で作る」こと。これで随分気を持ち直しました。そして今でも週1回、2時間のボランティアは継続中。最初の日の印象が強すぎて、デビューの日は「合わなかったらやめよう」と決めて向かったけど、これも経験と思い、続けることに。お店の中はとにかく「自由」。ボランティアに来たけど、5分で帰って行く人、「お腹すいちゃった」と何か買いに出て行ってしまう人・・・。でも、ボランティアも多様です。宗教も、出身も、障がいも、年齢もバラバラ。逆にこれだけ違うと「ルール」の作りようもないのかもしれません。2回目のボランティアに行った時に店長さんに「時間は今のままで大丈夫?」と聞くと、「大丈夫。好きにやっていいのよ、いつお茶飲んでもいいし、いつ来てもいいし。だってボランティアでしょう?」と。「あぁ、そんな感じでいいのね」、と思った瞬間でした。

今の私のボランティアのメインのお仕事は、寄付で来た商品を選別して、タグをつけること。イギリスでは、45リットル位のゴミ袋みたいな袋に寄付の品を詰めて持ってくるのがチャリティショップではお決まりのよう。その袋を開けるところから始まるので、ある意味、開けるまで何が起こるか分からないのが、ボランティア同士でも楽しみな一面。それに多様な人が暮らすレスター。何に使うか分からないものもしばしあり、みんなで知恵を出し合っています。袋の中身がスカーフばかりだと、「ムスリムだったのかな?」と想像し、赤ちゃんグッズばかりだと、「もう大きくなったのかな?」と想像しながら作業をするのは、意外と楽しいもの。意外と日本語のタグがついた洋服も多くて、それまで手をつけられていなかったその服たちも、私が読んで、タグをつけて、しっかり商品になることもできました。(「どうやって使うか分からない」ゾーンに放り投げられていたものの1つが日本の湯たんぽだとも判明。説明をつけて、お店に並べました)

つい作業を続けていると、「声かけられるの嫌いな人?それともビスケットが嫌いな人?」と聴かれたので、笑いながら「どちらも違うよ」と言って、ミルクティーをいただいたり。少しずつ「居心地」は良くなって来ました。障がいがあるボランティアにも、「名前を教えて」と聴いてみて、少しずつ距離を縮めています。そう、少しずつ。

 

○楽しみにしていたファンドレイザーとの待ち合わせ

9月は、5月からやりとりしていたファンドレイザーとついに待ち合わせでお会いすることができました。この方とはSNSのファンドレイジンググループで「レスターでファンドレイジングの勉強できるところを探しています」と投稿したことに返信してくれて、やりとりが開始しました。レスターからその団体のある場所へはバスで1時間以上離れているものの、彼からのメールでは、「近くに住んでいる人に一緒に車で乗せて行ってもらってもいいし、ぜひ一緒にファンドレイジングについて考えて欲しい!」と熱い内容で、会うのを楽しみにしていました。しかし、お互いのタイミングがなかなか合わず、彼も1ヶ月の夏休みありと、やっと会うことができたのでした。

会ってすぐに彼から「レスターで何をしたい?」と聴かれたので、いろいろ話をしたり、興味のあることを一通り話して、彼に団体のことを聴いたりして。でもなんだか話が噛み合っていない気がしたので、思い切って「事務所はレスターから遠いけど、週1回ならボランティアに行けるかも」と言ってみたら、「今はボランティアは足りているし、すごく優秀なんだよ」ときっぱり。話が違うじゃない!その後も話は噛み合わないまま、20分が経ったくらいで、「じゃ、話は終わり?レスターでいい出会いがあるといいね。(アメリカでのファンドレイジングのトレーニングに行くらしく)それが終わって、何か得られたら連絡するかも」と言い、突然立ち上がり、そのままカフェを出て行ってしまいました。彼もまた、国際的なファンドレイジング大会に出たことはなく、「自分は15年ファンドレイジングをやってきたから、外で勉強しなくても足りているし、アメリカのトレーニングがうまく行ったら、それを海外で発表するよ」と言っていたのもびっくりでした。・・自分が作ったファンドレイジングじゃないのにいいのかなぁと思いつつ。

あまりの展開に、カフェの店員さんが、私の残ったカフェラテを見ながら、「冷めちゃったね、温めて来てあげるよ」と言いながら、「またカフェにきなよ」とコーヒーの無料券をくれたほどでした。

私の英語力のなさか、どこかで何かがずれたのでしょう。でも、ずっと楽しみにしていたので、とてもショックな出来事でした。

 

○ドナージャーニーの大会

ドナージャーニー。ファンドレイジングの1つの手法のようなもので、私も昨年のIFCで初めて出会いました。支援者を中心にして、その人が寄付をどのように続けるのか(辞めるのかも含め)を考えてみる手法です。この手法に特化して、いろんな人が話してくれるコングレス(会議)がロンドンであるというので、悩んだけど行くことにしました。悩んだ、というのは、この主催団体がこのブログで最初に書いたコングレスを主催していて、その体験があまり良くなかったからでした。実際行ってみると、思った通りでした。

200人を超す参加者が、結婚式の披露宴みたいな席に座って話を聞く形式で45分ごとにいろんな人が次々に講演していきます。しかし・・・、まさかの20分ほどで話が終わってしまう人、パワポが字ばかりで読めない人、まさかのドタキャン!でこない人・・・マジ?と思うような光景が広がっていました。

参加者も、せっかくなので隣の人に「初めまして」と言うと、左隣の人は「2人できてるから」と一言ピシャリ。右隣の人には「アジア人には興味ないの」と言われ。あぁ、そうなのねと冒頭からがっかり。結局丸1日、私が話を交わしたのは、講師の方1人だけでした。ランチもバイキングとはいえ、量が少なく、一方、トイレが男女4つずつしかなく、並んでいるうちに、ランチはサンドイッチ一切れしかもらえませんでした。

でも、講義の内容は難しかったけど、面白いものも多かったので、途中から「学んで帰れれば十分」と思うことにしたら、あとは楽でした。国際大会でなく、国内のイベントって、怖いなぁと少し思ってしまった体験でした。

 

そんなこんなで、「こんなはずでは」と随分凹みましたが、自分の尺度ではなく、「ま、いいか!」位で丁度いいのかと思い始めたので、そんな感じでやってみようかなぁと思い始めたこの頃です。

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気づいたらすっかり秋めいてきました。家の近くのバス停。今は地面はもっと落ち葉だらけです。