「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

イギリス・レスターから帰国。シェアハウスでの暮らしの中から、日々の暮らし、ファンドレイジング、自身のHSPのこと、そして大好きなイギリスのことも引き続き書いていきます。

とある日のボランティアで目撃:最終兵器はロリポップ?

9月に始めた週1回のチャリティ・ショップでのボランティアも、ぼちぼち継続しています。ネイティブの方がたの話についていけない時は落ち込みつつも、分からないところは聞いて、興味を持ったところは突っ込んで、それでも楽しくやっています。

 

先日も落ちている服を拾ったら、「それもいいわね」と言って拾ってくれた職員のかたが、最近は床に服を置かなくなったり。みんなに「ばか」と呼ばれていた少し障がいのあるボランティアに「名前は何?」と声をかけたら、「私に声かけてくれる人、初めて」と喜んでもらえて、会話が増えたり。そんな小さなことの積み重ねの毎日です。

 

さて、そんな感じで、先週もボランティアに向かったわけですが、そこで「ファンドレイジング」のまさに現場を目撃してしまいました。突っ込みたくなる衝動を抑えながら、作業をしながら、目の前の光景を終始眺めていました。

 

ボランティア開始から数分して、お店に2人いる職員のうちの1人が「急にファンドレイジングしろって、本部から電話があったの。誰かお店の前に立ってくれない?」と話を切り出しました。そして、奥に何かを取りに行ったと思ったら・・・、

「私には最終兵器があるの!見て!ロリポップよ、しかもハート型!」とバケツ(イギリスでは寄付を募る時に募金箱ではなくバケツのような入れ物を持つことが多いのです)いっぱいのロリポップ(棒付きキャンデー)を持って歩いてきました。そして話を続けます。「このロリポップを子どもにあげて、『お母さんに1ポンド(日本円で約150円)ちょうだいって言ってきて』て言うのよ」と話しているのです。そのロリポップをみんなにくれたのが、これです。

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色々突っ込みたくなるところ満載ですが、これで1ポンド?という疑問が私の頭に浮かびました。そしてもらったボランティアはみんなこれをなめつつ、作業を続けています。

そして次に職員がしたのは、お店の前に立つボランティア選び。結局選ばれたのは、長くボランティアをしている方と、少し障がいのあるボランティア(前述の方)でした。

 

結局1時間と少しで、バケツがいっぱいになる!と目論まれていた作戦は・・・、立ったの60pで終わりをむかえたのでした。

 

1つ(個人的に嬉しかった!)ことは、30分くらいして、別の職員と先ほどの少し障がいのあるボランティアが戻ってきたこと。その職員の方は、「やりたくないっていうことをさせちゃったら、いくらボランティアでも嫌な作業は嫌よね、戻ってきたわ」と言いながらこちらにアイコンタクトしてくれました。そのボランティアの方とも握手できたこと。

 

改めて「寄付」ってなんだろうと思う小さな出来事でした。小さなお金でも、そのお金でも「託す」わけだから、「何に使われるのか」、「なぜ寄付を集める必要があるのか」しっかり説明する必要があるなぁと思いました。最近特に気付かされたのは、ファンドレイジングというと、イギリスでは本当に「資金調達」という意味が強い言葉ということ。なので、自らの紹介をする時、ファンドレイジングという単語を使わず説明できる、良い言葉を探し始めました。「寄付とは何か」この部分ももっと追求していきたいと思います。いづれにしても、教科書よりも良い体験ができました。