つぶやき：誰かとつながっているって、ほんと大切なのね。

最近お天気が続くレスター。今日も洗濯物を干していてふと周りを見ると、周りの家も次々に洗濯物が庭に干されていきます。きっとみんな「雨降らないでね」と思っているのかなと想像しながら洗濯物を干しました。

我が家の2階から。こんな感じで、前の住人と大家さんが作ってくれた洗濯スペースをありがたく使っています。

私もレスターに来て、いろいろやりたいこともあったにはあったのに、時は8月。イギリスは思い切り夏休みシーズン。子供たちはもちろん、仕事をしている人たちも少なくとも2週間は休暇をとって家族や友人と過ごす時期。いろんなことの流れがさらにゆっくり。新しい家も暮らし始めたばかりだし、せっかくだし、ゆっくり家で過ごしながら、新生活を楽しむことにしました。

とはいえ、パートナーが毎日出かけてから夜帰ってくるまで家にいると、もちろんゆっくりはできるけど、言葉を交わす人はいません。そこで、外に出てカフェに行ったり、買い物に行ったり、「1日に1度は外に出よう！」なんて思いながら過ごしています。人見知りではあるけど、やっぱり外に出るだけでやっぱり気分転換になるものです。人にも寄りますが、結構イギリスのスーパーやカフェ、バスの運転手さんは、"Hi, how's today?"、「やあ、ご機嫌いかが？」とか声をかけてくれる人が多いので、ちょっと嬉しいです。パソコンをネットにつなげば、ありがたいことに離れた友だち・知り合いに愚痴をこぼすこともできるし、たくさんの情報を得ることもできます。すごいこと、ですよね。

レスターはカフェがすごく多いです。15年前に暮らしていた頃よりコーヒーを飲めるカフェが増えた気がします。これは最近開拓したカフェ。挽きたてのコーヒーが美味しかった。

そんなある日、ふと頭をこんなことがよぎりました。

・・私は一応イギリスの言葉、英語は理解できるし、自分も話せる。イギリスに住んだことも何年も前だけど一応あるから、食習慣も文化もわかるけど、何もわからない人がある日この国にやって来て、家に一人ぼっち。家の中の家電みたいな道具の使い方もわからない。スーパーに行っても、見たことのないものばかり。なんて書いてあるかも分からないし、聞くこともできない。どんなに孤独だろう・・・？

そう思ってみたら、今まで仕事で「難民支援」なんて言葉を使って来たけど、当事者の人たちのことを当たり前ながら、理解しようだなんて、到底難しいことだと、なんだか実感してしまったのです。 

ロンドンに住んでいた大学生の頃、お世話になったインターン先のチャリティ団体が、難民やアサイラムシーカー（亡命希望者）の支援をする団体でした。そこにいた時、最初全く言葉も分からなかった女性が、半年英語の無料クラスを終え、大泣きしながら、「市場で野菜を買ったわ」とオフィスに来たり、「バスに乗れたよ」と嬉しそうに言いに来る男性。その時もびっくりしたけど、今になってさらにそんな言葉たちのより深い部分を感じました。

もう1つ。仕事をしていた時、定年退職した後にボランティアに来てくれた男性が、よく言っていました。

「今まで一生懸命仕事をして来たんだけど、定年になったら、自分の居場所がなくなっちゃってさ。仕事一筋だったから趣味もないし。なんか友だちに連絡するのもさ、恥ずかしいじゃん、何もしてないって思われるし」

そうだよね。今までバリバリ仕事をしていた人が、家に一人。何をしたらいいか、きっと分からないよね。私も仕事を離れた時、そうでした。離れただけなのに、なんだか置いてかれたような気がしました。文明の力でパソコンもあって、ネットも繋がる。でもネットでたくさん情報が入りすぎると、かえって不安になったり、考えすぎちゃうんだよね。

そんないろんな人たちに、「そこにいるの分かっているよ」って言ってあげられるような、安心してもらえるような仕組み・場所があったらいいなぁ、あったとして、その存在にきちんとたどり着けるためにはどうしたらいいんだろう？そんな思いが最近巡っています。もちろんひとりで過ごしたかったり、あるいは外に出ることがいろんな事情で難しい人たちもいるはず。そんな人たちとつながるにはどんな方法がいいんだろう？

今まで考えもしなかったけれど、自分で体験してみて気づけたから良かったなと思うついこの頃でした。

最後はこれ。あんまりに私がいろいろ考えていたら、パートナーが夕飯を外でと提案してくれて、レスターで美味しいと有名な日本食レストランに行って来ました。すっごい美味しかったです。やっぱりふるさとの味。癒されますね。