「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

イギリス・レスターから帰国。シェアハウスでの暮らしの中から、日々の暮らし、ファンドレイジング、自身のHSPのこと、そして大好きなイギリスのことも引き続き書いていきます。

International Fundraising Congress in London 振り返り(パート3)

パート1、2からの続きです。

印象に残ったセッション2日目、からスタートです。

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2日目

  • Developing self-aware, mindful leaders ☆

※分科会と別に行われたワークショップ。

(昨年10月のIFCで出会った瞑想やマインドフルネスを提供している団体、Wisdom Fishが主催だったので、再会も兼ねて参加)

ファンドレイザーは自然体であること、また前向きな姿勢が一番大事。その上で何かを決めなければいけない状況で、チームにはいろんな考え、性格の人がいるもの。その中でどう自分で居続けることができるか?

という前提のもと、5〜6人ほどのグループを作り、一人一人にカードが配られた。カードには性格の特徴が書かれていて、他の人には見せてはいけない。その人になりきって、新しいファンドレイジング計画をグループで作るというワークショップだった。

→私の感想:いつもと違う自分を演じることや、他の人も自分も「ちょっと面倒な人」だったので、いろんな人、いろんな状況があるのだと、体系的に分かって良かったし、逆に自分の性格も良く分かった気がした。ワークを終えて、それぞれのカードを見せ合い、自分に戻れた時の開放感がそれぞれ大きかった。

  • (メモ→Developing a truly centric Mid Value programmeのクラスは、IFCの時にとったセッションと同じスピーカー、同じ内容だった。気づかなかった!!IFCの時のメモを後で見返す)

内容:中間層に当たる、そこそこの期間・金額で支援を続けてくれている支援者に焦点を当て、どんな対応ができるか?→団体によってどの人たちを対象とするかは団体の規模、考えにもよる。ただ、見過ごされがちな人たちにあえて重きを置くことで、その人たちがなぜ続けているのか、団体のヒントが見えてくることがある。やはり鍵は、どれだけ相手に「一対一」と感じてもらえるか?

 

3日目

  • Implementing Supporter Journeys – the good, the bad and the ugly.(Individual Giving)

Supporter journey = Increasing “Life Time Value”(LTV)! ポイントは一人の支援者の旅路をどれくらいお手伝いできるか。支援者とコミュニケーションを多く取ることが基本。期待をしすぎないこと。

  • How to get to Y.E.S. (Philanthropy) ☆

まずセッションの「雰囲気づくり」がどのセッションよりも印象に残った。ポップな感じの部屋の雰囲気。スピーカーが部屋の前でセッション前に待っていてくれて、一人一人握手しながら挨拶をしてくれたり、お菓子が配られたり、セッションの途中で突然シャボン玉を飛んできたりと、とても楽しいセッションだった。

相手と話をする時、「お互いが違うところ」、「お互いが一致するところ」のボタン、きっかけを探しながら話をしてみること。急がず、また相手を説得しようとするのでなく、お互いを理解しようとしてみること。

イベントをするときは、相手の記憶(メモリー)に残るよう、五感に訴えてみる。例えば、アフリカの支援に関する報告会であれば、アフリカの料理を食べてもらう、アフリカのサバンナの匂いを嗅いでもらう、アフリカの音楽を聴いてもらうなど、何か印象に残ること・ものを用意する。同時に、Welcome!の気持ちを相手に伝えるのも忘れないように。

←という話を聞いて、冒頭の用意がなんだったのか、分かった。その仕組みもこのセッションが印象に残るきっかけとなった。

  • Presence, impact, networking (Personal Effectiveness)

「話している相手にインパクトを残すのには30秒で十分」という話からセッションスタート。ファンドレイザーとしてのネットワークを広げるにはどんな話し方をしたら良いのか?という話がなされた。「自分」というブランドを相手に伝えるように話す。自分が大切にしていること、これからしたいことなども盛り込むといい。30秒の中に伝えたいことを3つ盛り込んで話すように用意しておき、それが相手に伝わるように話をする。

  • A New approach to measuring your direct marketing (individual Giving)☆☆一番良かった!

セッションはまず、「これまで自身がやってきたファンドレイジングを振り返る意味で、これまでの取り組みを計ることをみなさんしていますか?」という問いかけでスタート。その上で、その指標として「団体の寄付額がいくら増えたか?」、「支援者数がどれだけ増えたか?」としていませんか?と話した上で、「No!!」と画面に表示。その上で、「それは確かに指標にはなるけど、Donor centric Fundraising(支援者に重きを置いたファンドレイジング)なのでしょうか?」と問いかけ。支援者に寄り添ったファンドレイジングができているかは指標にはしづらい。でも、支援者がいつもHappyでいてこそ、継続的な支援につながる。金額や人数だけに着目するのではなく、支援者の思いに寄り添うことを、改めて忘れないでほしい。

その上で、ではそんな思いを計るためにはどうしたら良いのか?最近企業で取り入れられている指標が紹介された。→NPS (Net Promoter Score) 「あなたはこの企業を他の人に勧めたいと思いますか?」を10段階で選んでもらう。このやり方をイベントから始めて、いろんなところで活用しながら、支援者の思いを都度確認してみる。でも、同じことを同じ人に何度も聞かないこと。それはやっぱり嫌がられるし、却って信頼を損なうこともある。大切なのは、「あなたのこと、忘れていませんよ」、「何かあればいつでもどうぞ」という思いが支援者に伝わっていること。支援者を常に真ん中に考え、思い、感謝し、その上での団体戦略づくりなどに生かし、振り返りを行ってほしい。改めて、その考えを思い出してほしい。あなただけの、温かいDonor – centric Fundraisingを見つけて行ってほしい。 (続く)

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