「ま、いいか!」くらいがちょうどいい

イギリス・レスターから帰国。シェアハウスでの暮らしの中から、日々の暮らし、ファンドレイジング、自身のHSPのこと、そして大好きなイギリスのことも引き続き書いていきます。

11月11日:リメバランスデー。赤いポピーがイギリスを埋めつくす、そして白いポピー

ここ最近一気に気温が落ちて、短い秋も終わり、冬へと向かい始めたレスターです。イギリスでは、10月の中旬を過ぎたくらいから、街中やテレビのキャスターが、胸元に赤いポピー(日本だとひなげしですね)の花(プラスチックですが)をつけている人を多く見かけるようになります。特に少し年齢の高めの方に多く見られますね。

 

このポピーは、一言で言うと、第一次世界大戦で戦死した人(特にイギリス軍人)を追悼すること、その悲劇を忘れないことを意味しています。そして、11月11日の午前11時に、イギリスや、英連邦、世界の各地で第一次世界大戦で亡くなった人を追悼するため、2分の黙祷を捧げます。そして、毎年、この11日に近い日曜か、11月の第二週の日曜に、イギリスの王室や首相もポピーの花輪などを慰霊碑に手向け、追悼式典が行われます。この11月11日のことをリメバランスデーと言ったり、レッドポピーデーという人もいます。

 

イギリスにいると、確かに戦争に関した「碑」のようなものがすごく多い気がします。戦争で活躍した軍人の像が多い気もしますが、その傍らには年中赤いポピーの花輪を目にしますが、この時期はひときわその数が増えます。

 

なぜ赤いポピーになったのかは、聞いた話によると、第一次世界大戦が終わった後、戦場になった場所を埋めつくすように、赤いポピーがたくさん咲いた、と言うのです。

 街中のスーパーでも、寄付をするとこの赤いポピーをくれる仕組みは、なんとなく日本の赤い羽根募金にも似ている気もします。

ではこの募金、どこがやっていると思います? それが、The Royal British Leigionというチャリティ団体で、日本語で言うところの、イギリスの退役軍人会と言ったところでしょうか。

www.britishlegion.org.uk

そうです!「戦争のことを忘れないように」と言いつつも、寄付はイギリス軍を支援する団体に入ってしまうんです。しかもこのポピーの寄付?が毎年すごく大きな金額を集めます。その金額、毎年約45億円にもなります。

個人的に私はどうしてもこの「矛盾」感がすっきりせず、いつも赤いポピーを身につけることができず、街で見かけるとなんとも言えない気持ちになっていました。

 

それが昨日、たまたまレスターの市街地ですれ違った男性のカバンについていたものに目が留まりました。花はどう見てもポピーなのに、色が白なんです。絶対何か意味がある!と思い、調べてみると、ちゃんと意味がありました。

この白いポピーは、(第一次世界大戦だけでなく)全ての戦争・紛争の被害者を追悼するとともに、戦争や紛争に反対し、平和を望むことの意思表示として、身につけるものであることが分かったのです。そして寄付は、平和教育だったり、今も紛争地で被害にあっている人たちや、その人たちへ支援する団体へ送られるというのです。

www.ppu.org.uk

レスターのインフォメーションセンター(観光案内所)で面白いものを見ました。

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そう、赤いポピーと、白いポピーが並んで置かれているのです。しかも、白いポピーはなんと、MSFがその趣旨に賛同し、特に紛争地でMSFのこども病院が攻撃されることに抗議するとともに、そのことに寄付が使われると、横に書かれていました。選択の自由があるって良いですね。そして、寄付が何に使われるのかわかるのも良いし、金額が指定されないのも良い。早速白いポピーの募金箱に1ポンドコインを入れて、1つ白いポピーをいただきました。これで、この時期の長年の私のもやもやも晴れた気がします。赤と白のポピーのことだけでなく、寄付についても考えさせられる良い機会になりました。