イギリス・レスター便り

イギリスのイングランドのちょうど真ん中あたりのレスターから、イギリスの文化や、日々の暮らし、またファンドレイジングについて更新して行きます。

バス停を探して2人のおばあちゃんと大冒険。素敵なひとときをありがとう。

今日11月11日はリメバランスデー。前回の記事で書いた白いポピーをカバンにつけて、ちょっとドキドキしながら家を出ました。

(前の記事はこちらを参考に)

11月11日:リメバランスデー。赤いポピーがイギリスを埋めつくす、そして白いポピー - イギリス・レスター便り

イギリスではクリスマスが近づくこの時期、特に週末は色々なところでクリスマスフェアが開催されます。これは、1箇所にいくつかのストール(お店、1区画ごとになっている)が出るもので、クリスマスに関した雑貨、例えばクリスマスツリーにつける飾りだったり、サンタさんの置物(そう、イギリス英語では、サンタクロースのことをFather Christmasっていうんですよ)、リースなど、様々なものが売り出されます。また、これらのフェアの多くは、売上がチャリティ団体に寄付されることが多いのも、特徴かもしれません。今日はそのフェアを2つ、バスでハシゴしてきました。

 

1つ目は家の近くのレジャーセンター(スポーツセンターみたいなところ)で。ここでの売り上げは野鳥の保護に関したチャリティ団体に寄付されるとのこと。どれも可愛くて目移りしましたが、手編みのサンタと雪だるまを購入しました。

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外には、クリスマスフェアを知らせる垂れ幕もかかっていました。

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売上が何に使われるのかは分かりやすいけど、フェアの詳細がないのが、惜しい!

さて、この後は1時間バスを乗り継いで、レスターの南に位置するオードビー(Oadby)まで行ってきました。車があればもう少し近いのですが。ここではハリーポッターをモチーフにしたクリスマスマーケット!に期待を膨らませてバスに乗っていたら、「今日はこれ以上バスが通れないからここで降りて」とバスが途中でストップ。右も左もわかりません。グーグルマップを出して、なんとか目的地にたどり着いたのですが、この経験が後々に・・・
オードビーは、閑静な住宅街でした。こちらのクリスマスマーケットは、ハリーのような格好をしている子どもたちで大盛り上がりでしたが、大人にはちょっと雰囲気が違ったようです。でも、本物のトナカイは、初めてみて、ちょっと驚きでした。

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オードビーの住宅街。道幅が広く、家々も大きくて、なんだか雰囲気が普段と違いました。

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やっぱり今日はリメバランスデー。こんなふうに、街中でたくさんの第一次世界大戦の犠牲者を悼むポピーの花を見かけました。(十字架・・・)

 

街の中心を歩いて、少し買い物もして、そろそろお腹も空いたし、帰ろうと思った時、ふと思い出しました。「あ!行きに来た時にバスを途中で降りたんだった、バスのルートどう変わっているんだろ?」と。ひとまず一番近そうなバス停へ歩いて向かいました。そこから長い旅が始まるとは、この時は思ってもみませんでした。

 

バス停に近づくと、何人かの人がバスを待っているのが見えたので、ほっと一安心したのですが、近づいてみると、どうやらそうではなさそうです。バス停の柱にバスの迂回の案内図が出ているのですが、点で意味がわかりません。そのうちおじさんにおばあさんが加わり、さらに若い女性も加わり、みんなで検討した結果、「ここで待とう!」という結論に達しました。しかしその次の瞬間、目の前の小道からバスが出てきて、私たちの行きたい方向に曲がっていってしまうのを目撃。いつも乗っている人たちによると、いつもはそこを通らないそうでした。すると、違う男性が来て、「このバス停は今日はバスは停まらないよ。この先だよ」と教えてくれました。この時男性は英語でoverthereと言ったのですが、これは「すぐそこ」というような意味。この単語を信じ、バス停にいた総勢10名ほどは一斉に移動を開始したのでした。

 

ところがそこへ、もう1人のおばあさんが近づいてきました。そこで、バス停は向こうだと教えると、「教えてくれてありがとう!あなたは私のベストフレンドよ!」とおばあさんもこの民族大移動に加わったのでした。しかし、先頭組はどんどん先へ行ってしまい、おばあさん2人はあっという間に置いてかれ、1人は杖をつき、もう1人も杖というか松葉杖を一本持ち、どうやら足を怪我している模様。とっさに2人の荷物を持って、「もう少しのはず」と励まし、気づいたら一緒に歩き始めていました。

 

ところが、どれだけ歩いてもバス停も、先頭組も見えてきません。杖をついたおばあさんは「本当に着くのかしら?」と不安になり始め、もう1人のおばあさんは「なんでこんな目にあうの?」と怒り出しました。私は不安になるおばあさんを励まし、怒るおばあさんに「本当に嫌になるよね」と賛同しながら、とにかく前に前に歩きました。

 

しばらくして私も不安になったので、「ちょっと待ってね」と、タブレットを出して、グーグルマップを開けました。すると、しっかり先にバス停が見えたので、「大丈夫」と2人を励まそうとしたら、お二人ともこの地図に興味を持った模様。「触っていい?」というので、「どうぞ」と渡したら、2人とも縮小を変えてみたりと大盛り上がり。2人に笑顔が戻ってきました。それからまた3人で歩き出しました。

 

しばらく歩いて行くと、偶然地元の人と思われる人だかりが見えたので、近づいてバス停の場所を確認すると、やっぱりこのまま真っ直ぐであっている様子。それでもおばあさん2人は不安そうなのを見て、その中のお二人がしばらく先導してくれ、これで道中がまた少し賑やかになりました。おばあちゃん達と歩きながら、最近スーパーに行った話、オードビーでアジア人はあまりみない話、いろんな話ができました。

 

10〜15分歩いたでしょうか?ようやくバス停が見えてきました。バス停へ向かうと、先についていた人たちが手を振ってくれました。胸がいっぱいになりました。すると、やってきました、バスです。バス停にいるみんなで手を振り、おばあちゃん2人はまだバス停まで距離があったので、「大丈夫だからゆっくりきて」と言いに行き、私もダッシュで手を振りました。

 

しかし・・・無情にもバスは止まらずに行ってしまったのです。イギリスではたまにありますが、どうやら満員だったようです。

 

あまりの状況に、バス停のみんなは呆然。すると杖のおばあちゃんが「神様まで見放したのね」と今にも泣き出しそう。足を怪我しているおばあちゃんは、「ほらやっぱり止まらない!!」とまた怒り出しました。「これは大変」とどうにかなだめようとしていたら、先についていたおじさんがこっそり、「この2人と歩いてきたの?」と聞くので、「そうなの」と言うと、「大変だったねぇ」と、いろんな人たちと一緒に2人をなだめてくれました。

 

そうしてみんなで励ましあいながら、さらにバスを待つこと10分。やっと次のバスが近づいてきます。みんなで必死にバスを止めようと手を振ってみたり、叫んでみたり。

そして遂に、バス停にバスが止まりました。その時の喜びはご想像の通りで、みんなでハイタッチしたり、抱きしめあったり。

 

おばあさん2人とハグをして、2人がしっかり1階に座ったのを見届けて、席が空いてなかったので、私は2階建バスの2階に座りました。

しばらくバスに乗り、レスターの市街地の中心までバスが来たので、私は途中で降りることに。1階に降りると、お二人はまだ乗っていたので、声をかけました。すると、「本当にありがとう。時間があればお茶でもおごりたいわ」と言ってくれました。名残惜しかったけれど、「いい日になりますように!!」と手を振って、バスを降りました。バスを降りて気づくと、窓を叩く音。見るとおばあさん2人が思い切り手を振ってくれています。バスが見えなくなるまで、私も手を振り返し続けました。

 

おばあさん、お一人はお友だちとの約束があったとか。無事会えたかな?飛んだ珍道中でしたが、私も心が温まり、寒さを忘れてしまったようです。おばあちゃんが今日をUnforgettable day、忘れられない日と怒りながら言っていましたが、私は良い思い出としてUnforgettable dayになりました。